昨日と違うから

いつものようにコーヒーを入れ、寝ている母の足をベッド横に向けて起こした。
ところが、腰元がしっかり安定していないので後ろにひっくり返りそうになった。
母は、「まことね、昨日の母さんだと思わないで欲しい。日々からだがよわってい
るのだから」と言い出した。
実は、床ズレ防止用のマットに替えたばかりで、マットの固定仕方がうまく出来ず
不安定感を与えてしまった。
そんなこと知っているはずなのにと、思ったが母に説明することを止めて「わかった
よ」と返事した。マットに関係なく長く起きて、座っていられないようだ。
順番も洗顔を後にしてソバにコーヒーへと替えた。
辛くなったら「横になってもいいかい」というので、息も切らさず準備をはじめるの
である。
「いつまで、この状態が維持できるのだろうか」と不謹慎なことを胸の内で思ってし
まう。今の私は「母に、手一杯の事をして」の気持ちをしているだけなのだが。
先日「石狩川下流をさかのぼるツアー」の体験学習会に参加した。砂丘と植物、石狩
川の湿地(氾濫原)植生など。石狩の灯台が砂浜の真ん中に立っているのを見た。
灯台は、今から100年前に立てられ石狩川の土砂などで堆積され今の状態になったと
説明があった。その話を思い出した。
同じ事繰り返している毎日でも何かが、違うぞという日を送っているかが問われている
気がした。
陸の先端にあるはずの灯台が、いつの間にか内陸部に立っているこれじゃ役にたたない
ですめば良いが。

(灯台の後ろに建物あるほうが陸地になっている)
私も、思い当たる事がある。
                      春風するめ