考えが不思議に見え

  暑かった夏も終わりに近づいた。クルミの木に実がいっぱいなっ
 今にも成熟したものが落ちそうな状態までになっている。
 この木も、11月には倒されその後に娘夫婦の家が建つ予定にな
 っている。
 家内は、このかしぐるみの木から毎年クルミをいっぱい貰っていた。
 どうしても、記念に何かを残したいという思いから絵を描いている。
 「写真でよいだろう」と、いったが納得出来ないようだ。
 
 この木からのクルミを植えて育った木がある。車の通る街路樹にし
 ている。市の街路樹と違う種類になっている。毎年、そのクルミを
 目当てに釣り竿をもってきて拾って行く人が何人かいる。
 クルミの下に車を止めてあると、落としたクルミが車体に当たって
 傷つく、そんなことにかまわずクルミを落とす人がいるから困るけ
 ど。一応私としては、クルミに残す礼儀を尽くしたつもりだ。
 そんなことを改めて、家内がクルミの木に思いをしのび残そうとし
 ている姿を見て。
 私も何か、大事なこと忘れていませんかと問われている気がした。

                        春風するめ