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オーディオの楽しみ その2
前回交換したベルデンのもう一方のスピーカケーブルを取り替えてみる事にした。
前回のケーブルはベルデンの9497(通称ウミヘビ)だったが、今回のケーブルはスタジオ708EXで9497よりだいぶ太い。被覆を剥がしてJBLのスピーカー端子に差し込もうとしたら太すぎて入らない。どうしたものかと机の中をかき回してみたら、オーディオテクニカのスピーカーケーブルターミネーター(ケーブルの端末処理金具)が見つかった。余計な接点を増やすのは音に影響を与えるが、この際は致し方ない。もう一方にバナナプラグをつけて無事接続完了。早速音だしをしてみる。
前回のウミヘビより今回の708EXのほうが音に厚みが出てきた。低域が出てくるようになったし、高域も少し良くなったような気がする
しかし以前使っていたナノテックのSP#79MK-2のほうが、私には好ましいと思われました。そのうち元に戻すとして面倒なので暫くはこのままベルデンの708EXでいきたいと思います。
最近はメインのシステムよりもサブのシステムで聴くほうが多くなった。クラッシックはヤマハのNS-1で、ジャズはKEFのLS50(アニバーサリー)で聴くことが多い。特にLS50は小さなスピーカーなのだが、信じられないくらい低音が出てくるし、中、高音も格調高く響き、お気に入りのスピーカーになりました。ジャズの女性ボーカルを聴くと歌手が左右のスピーカーの真ん中に現れ、目を瞑るとスピーカーが消えて無くなります。お気に入りの女性歌手が艶かしく歌うのを聴くと1日の疲れも吹き飛びます。
口の悪い仲間は5倍以上もするメインシステムより、こちらのサブシステムのほうが良い音してるよと言いますが、大音量で鳴らすと流石にJBLには叶わないと思いますが、夜中に聴くことが多いのでなかなか大音量では鳴らせません。他にもダイヤトーンなど古いスピーカーが眠っているので、いつか引っ張り出して鳴らしてみようと思っています。 人生黄昏
オーディオの楽しみ
先日オーディオ仲間が遊びに来た。我が家のメインスピーカーは年代物のJBLの4344でマッキントッシュのプリアンプとパワーアンプで音楽を楽しんでいる。
友人が言うには、JBLのスピーカーは内部の配線がベルデン製なのでスピーカーケーブルは同じベルデン製が良いよと、2種類のケーブルをもってきてくれた。折角なので連休に取り替えてみた。何しろ4344は1本95Kgもあり1人で動かすのは大変な上に、プレーヤーやアンプの乗っているオーディオラックも引っ張り出して配線を取り替えなくてはならない。ベルデンの1セット目のケーブルを半分に切ってそれぞれ被覆を2cmぐらい剥がすのだが(計8回)なかなか上手くいかない。中の線を切りすぎて左右の太さが違ってやり直すこと4回。だんだんケーブルが短くなっていくので気合を入れてようやく被覆剥がし作業が終わった。4344の端子は今日のスピーカーと違って小さく、おまけにスピーカーの後ろの狭いスペースに潜っての作業なので、なかなか端子につなげない。ようやく終わった時は汗びっしょり。
はずしたケーブルはサブスピーカのヤマハNS-1に使用することにした。このケーブルはナノテック製のSP#79Mk-2HVで3,000円/mもした記憶があって遊ばせておくのはもったいない。こちらは簡単に作業終了。
オーディオラックを元に戻して音だしをしてみる。チェックレコードはシェリー・マンの234。このLPは装置を変えたときにいつも使うLPでA面2曲目のジ・.シックス・オブ・アスを聴く。この曲はトリオ演奏で右からエディコスタの硬質なヴァイヴ、左からはシェリー・マンの多彩なテクニックのドラムスが響き、中央からジョージ・デュビビエのベースが軽快なリズムを刻んでオーディオチェックに最適な曲です。このLPはこの曲のみで有名になった1枚でオーディオフアン必須の1枚です。私は輸入盤、国内盤、CDと同じものを3枚も買ってしまいました。今回は輸入盤でチェックしてみました。じっくり何回か聴いてみたが正直音が良くなったのかどうか判らなかった。高音は素直に出ているが低音が前より出てなく切れが落ちたような気がする。全体的に悪くは無いが汗びっしょりで作業した苦労が報われていない気がした。
サブのヤマハNS-1の方は明らかに音が変わった。このスピーカーにメーター3,000円もするケーブルは釣り合いが合わないと思うが、明らかに音の解像度、高音の聡明感などがアップした。改めてこのNS-1の実力を見直した。スピーカーケーブルに限らずプレーヤーとアンプをつなぐコード、電源コードは変えると音が変わるのは周知の事実だが、良くなるかどうかは判らない。電源コンセットの違いによっても音が変わると言われている。今回の取り替えたベルデンのスピーカーケーブルは、品番9497(通称うみへび)でもう1セットはスタジオ708EX。後日もう1セットを試してみたいと思います。スピーカーケーブルなんか量販店の50円/mも、オーディオ専門店の6,000円/mも音が変わらないと言うオーディオ仲間もいるが、値段が高ければ音が良くなるとは限らないが変わることは確かだと思う。もうアンプや、スピーカーを買い換える金銭的余裕は無いが、ケーブルぐらいならこれからも何とかなると思うので、たまには配線を取り替えてオーディオを楽しみたいと思う。人生黄昏
オーケストラ・ランキング
先日、近くの本屋へ寄ったらレコード芸術3月号の特集で30人の評論家が選んだ世界のオーケストラ・トップ10が記載されていた。1位と2位はウイーン・フィルとベルリン・フィルで決まりだろうと思って本をめくってみると違っていた。
俄然興味がわいて本を購入し家へ帰って調べてみると1位はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で異論はないが、2位はバイエルン放送交響楽団、3位はロイヤル・コンセントヘボウ管弦楽団となっておりウイーン・フィルハーモニー管弦楽団は4位となっていた(昔から1位と2位は順番は入れ替わってもウイーン・フィルとベルリン・フィルで決まっていた)。解説によるとウイーン・フィルは自主制作盤が少ないのとオーケストラを引っ張っていく指揮者がいないのがランクダウンの原因と載っていた。5位以下はドレスデン国立管弦楽団、パリ管弦楽団、シカゴ交響楽団、ロンドン交響楽団、マーラー室内管弦楽団、ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンと続く。我が日本のオーケストラでは、やっと37位にNHK交響楽団、52位に日本フィル、55位に新日本フィル、東京交響楽団、水戸室内管弦楽団、読売日本交響楽団となっており、札幌交響楽団は残念ながらランク外だった。札響がランク外なのはしかたがないとして、N響の37位はちょっと低すぎないのか。パーヴォ・ヤルヴィを首席指揮者に迎えて1年半になるがいま一つ上昇気流に乗れてないような気がする。もう少し長い目で期待をこめて暖かく見守ることにしよう。
人生黄昏
シューベルトの「ザ・グレート」
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
少し前の話しになりますが、昨年夏の北海道新聞の音楽紹介欄にシューベルトのハ長調の交響曲「ザ・グレート」が載っていました。
指揮者はチェリビダッケでオケはスエーデン放送交響楽団とのことでした。
チェリビダッケのフアンで且つグレート好きの我が身としては見逃すわけにはいかないと思っていたがなかなか購入の機会がなかった。
昨年末にようやく行き付けのCDショップへ行き早速探したが見つからない。馴染の店員に調べてもらうと輸入盤なので取り寄せに2~3週間かかるとの事だった。今年に入ってようやくシヨップから入荷したと連絡が入った。
早速家に帰って聴いてみると予想に反してテンポは速めで晩年のチェリビダッケとはかなりちがって拍子抜けする。調べてみるとこのCDは1969年のライブ録音で57歳の若かりし(?)ときの演奏だった。新聞の紹介では「強い音でも威圧的に鳴らさず柔らかくて透明感のある響きが美しい。圧巻は第2楽章のクライマックスで、すさまじい大音響から長い間をとっての静寂には息をのむ。音楽の奔流から流麗さを失わない第4楽章も素晴らしい。」と紹介されていた。演奏時間は48分52秒で、1994年82歳のときのミューヘンフイルとの演奏は54分を軽く超えているので、晩年になればなるほどテンポが遅くなっているのが分かる。チェリビダッケのCDはあまり録音が良くないものが多いが、このCDは結構音が良い。ちょっと得をした気分になる。
一昨年夏に購入したジュリーニのグレートは遅めのゆったりしたテンポで演奏している。やはりシューベルトは遅いテンポのほうがスケールが大きくて良いと思う。ちなみにグレートのマイコレクションを調べると現在LP2枚CD7枚の計9枚あって一番長い演奏はデイヴィッド・ジンマン指揮のチューリヒ・トーンハレ管弦楽団で、56分24秒。続いてジュリーニ指揮ベルリンフィルのライブが54分9秒、一番短いのはルドルフ・ケンペ指揮ミューヘンフイルハーモニック管弦楽団で47分52秒、このチェリビダッケのCDはごく平均的な長さか。
グレート交響曲はシューベルトの死後シューマンが発見してメンデルスゾーンが初演したという歴史的な交響曲でシューマンが「天国的な長さ」と言って絶賛したとのこと。その後、マーラーや、ブルックナーが1時間を越える交響曲を量産したので長さについては驚かなくなったが、それにしても1時間弱の交響曲を聴き比べるのはかなりしんどい。私には上記の9枚の中ではジンマンの物が一番好きだ。続いてはジュリーニかな。晩年のチェリビダッケのミューヘンフイルとの演奏はまだ聴いていないので、近々手に入れたいと思っているが、もう廃盤になっているらしい。同じ交響曲なのに指揮者が変わるとこうも印象が変わるのが面白い。 人生黄昏
ニコラス・アーノンクール
今年3月5日にアーノンクールが亡くなった。昨年の12月5日、86歳の誕生日の前日に突然の引退を表明し話題をさらったが、それから間もなくして86歳の生涯を閉じた。彼は古楽器演奏に力をそそぎ60年以上にわたって音楽界を牽引してきた。今年2月発売のベートーヴェンの交響曲第4番と第5番「運命」が評判を呼び音楽誌に取り上げられていたので興味があったが買うのを躊躇していた。しかしラストレコーディグのCDとなれば買わないわけにいかない(遺作は昨年7月のグラーツの音楽祭のライブ録音、ベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」で6月22日に緊急発売となった)。この際思い切って買うことにした。このCDは2015年5月のウイーンで行われた定期演奏会のライブ録音で、販売店に行くと輸入版と国内版の2種類があって迷ったが、輸入版は国内版より1000円近く安い。この差は大きいので輸入版を買うことにした。(後で息子に聞いたら国内版のほうがノイズの処理が1工程少ないので音はその分いいとのこと)。早速家へ帰って聴いてみると第4番は歯切れの良い存在感のある演奏でなかなか良い。マイベストのカルロス・クライバー、ムラビンスキー、チェビリダッケの仲間入りをしそうです。第5番の「運命」は今までのどの演奏とも違って独特の響きがあり、特に第4楽章に入るとトロンボーンやピッコロの音の強調、最後の和音連打の驚くほどのタメなど、聴くものをドキッとさせます。今回の演奏に際しアーノンクールは多くの資料を丹念に洗い直し、「ベートーヴェンの楽譜には何も足さない」という姿勢を貫いたそうです。アーノンクールはこれを手始めに今年の3月に第8番・第7番、5月に第9番を録音し、年内に2回目のベートーヴェン交響曲全集を出す予定だったがそれも叶わぬ夢となりました。今回の演奏を聴いて他のアーノンクールの演奏も聴いてみたくなりました。2014年7月発売のモーツアルト後期三大交響曲が独特な解釈で当時大きな話題となりましたので、これにしようかなと思いましたが今回はブラームスの交響曲セットにしました。これは1997年9月発売で、オケはベルリン・フィルハーモニーです。このCDはまだ聴いてませんので、どんな演奏をしているか今後の楽しみです。 人生黄昏
指揮者とテンポ
先ほどNHKのニュースで指揮者のリッカルド・ムーティのインタビュが放送されたが、その中で彼は、「指揮者は作曲家の楽譜に忠実に演奏すべきだ、むやみにテンポなどを変えてはならない」と言っていた。
これを聞いて、昨年秋のNHK交響楽団定期演奏会でオランダの指揮者ベルナルト・ハイテンクが、「指揮者の仕事は作曲家の創った楽譜上に記された音楽を忠実に実現することです。作曲家に比べ指揮者は二流であることを自覚すべきです。作曲家こそが芸術家で指揮者は芸術家ではない。作品を解釈するだけです」と言っていたのを思い出した。これを聞いた時はなんと謙虚な指揮者だろうと思った。多くの長老が昨年から今春に亡くなっている今、現在最長老のハイテンクの言葉には重みがある。
しかしながら、指揮者がみな同じテンポで同じように演奏したらつまらないと思う。それぞれが個性を出すから色々な演奏があって面白いのではないか。
私の大好きな指揮者の1人、セルジュ・チェリビダッケは「音楽の内容が豊になればなるほど、それを再現するにはテンポを遅くすべきである。指揮者の最も重要な仕事は作曲家がその作品の中で表現しようとしているメッセージを正しく組織し作品を構築することにある。又それを表現するには録音では言い表せない。演奏会でのみ表現できる」と,常々言っていた。彼は録音嫌いで有名でカラヤンと同世代だが演奏会に行けない我々には幻の指揮者と言われていた。
彼の死後、多くの演奏会のライブ録音がCDで発売され、ようやく耳にすることができるようになった。彼のCDを聴くと本当にテンポが遅い。それも晩年になればなるほど遅くなっている。作曲家が意図したテンポとは違うと思うが、私にはそのテンポに非常に感銘を受ける。ちなみにチャイコフスキーの交響曲第5番を聴くと第4楽章では多くの指揮者がクライマックスに向かってテンポを上げていくが、チェリビダッケは最後の最後まで手綱を締めてテンポを上げない。むしろだんだん遅くなっていく。聴衆は感動に震えながら演奏に浸っているに違いない。やがて演奏が終わって少し間があいてふと我に返った何人かの聴衆がぱらぱらと拍手をする。そして拍手とブラボーの嵐がコンサートホール全体に響き渡る。ここには曲の終わるのを待ち構えて、立ち上ってブラボーと叫ぶ輩(やから)はいない。このCDの最後に入っている拍手を聞いただけでも、この演奏会の素晴らしさが分かる。こんな演奏会に出会えるなら、いくらお金を払っても惜しくない。この交響曲第5番は全体で55分43秒かかっている。ちなみにデュトワ、モントリオールは46分17秒、アバド、ベルリンフィルは45分54秒、シノーポリ、フィルハーモニヤは45分22秒、ムラビンスキー、レニングラードは43分05秒と、ほとんどの指揮者は45分前後で演奏しているがチェリビダッケのそれは10~12分長い。彼の最晩年のブルックナーの交響曲第8番にいたっては一般的な演奏時間が約80分前後のところ105分もかかっている。
同世代のカラヤンがレコードの販売で自家用ジェット機3機所有し、スポーツカーを乗り回し巨万の富を築いたのに比べて、レコードを音の出るパンケーキと言って嫌い、カラヤンをアメリカのコカコーラと揶揄して自分の生き方を貫いたチェリビダッケに共感を覚える。
これからも多くのCDが発売されることを望んで止まない。
人生黄昏
ヘニング・マンケル
昨年暮れの新聞にスエーデンのへニング・マンケルが亡くなったと載っていた。
たまたま刑事クルト・ヴェランダーシリーズの8作目を読み始めたばかりだったので余計に驚いた。確かまだ60代半ばでこれから益々の活躍を期待されていたのにと思って調べてみると、咋年の10月5日がんで死亡、享年67歳とあった。2014年1月にがんにかかっていると発表し闘病生活に入っていたらしい。今読んでいる8作目のファイヤーウオールでは主人公がやけに過去の事件を振り返っているので、筆者は先が短いことを感じていたのかと思ったが、これを執筆したのは1998年なのでそんなことはないか。
ともかくもう作品を読めないのかと思うと残念である。しかしクルト・ヴェランダーシリーズは全部で11冊書いているので(11冊目は短編)これから3冊翻訳されるらしい。スエーデンではマイ・シューヴァルとペール・ヴァルーが書いたマルテンベックシリーズ以来、シリーズ物はどんなにヒットしても10作で区切りという伝統があるらしい。クルト・ヴェランダーシリーズは1991年から毎年一冊執筆されていて1999年に9作目を発表してから10年間休んで10作目が2009年に執筆されている。2013年に11冊目の短編を発表してこのシリーズは終わっている。
9作目は1999年発表「霜の降りる前に」上・下で、日本では2016年1月21日発売となっている。今から発売が待ち遠しい。尚、1年前に購入したマンケルの「北京から来た男」上・下(ヴェランダーシリーズではない)はまだ読んでいない。何しろ順番待ちの本が多いのと読む速度が極端に遅く(寝る前に読むので、すぐ眠くなって何ページも読まないうちに寝てしまう)、1ヶ月に1冊ぐらいしか読めない。これなら無理して単行本で買わないで文庫本になるまで待てば良かったかなと反省している。
ユッシ・エーズラ・オールスンの特捜部Qの第6冊目がハヤカワポケミスで昨年暮れに発売されたが2,268円と高め。買うかどうか悩んでいます。このシリーズも1年前に購入した4冊目と5冊目が読まれずに本棚に収まったままです。妻に読みもしない本を又買ってきたのといわれそうです。 人生黄昏
パーヴォ・ヤルヴィ