数日前、会合があって早めに自宅を出た。
地下鉄にもすぐ乗れて会場へ行くにはちょっと早すぎたので、久しぶりに有名なジャズ喫茶に寄った。
店には中年の男性客が5人くらいいて、それぞれがコーヒーを飲みながら音楽雑誌を読んだり、
週刊誌を見たりしながらジャズに浸っていた。
私も空いている席の中から程よい場所を確保し、コーヒーを注文してしばしの間
ジャズを堪能することにした。
10分ぐらいたった頃、突然騒がしい音がして中年の女性が二人、
店に入ってきた。
二人は真ん中の席を陣取と、鳴っている音楽に負けない音量で
おしゃべりを始めた。
周りの男性客は一斉に非難の目を向けたが、当人達は気付く様子もなく
(気づかぬふりをしているのか)、又お店の人も売上の減少を恐れてか、見て見ぬふりをしていた。
やがて前から居た三名の客はジャズを聴くのを諦めて帰っていった。
私もまだ少し時間があったが諦めて店を出た。
会合場所へ向かう道すがら、全く周りに気を配らない女性が最近多くなったと
思い、女性が長生きする理由が解ったような気がした。 人生黄昏