ニコラス・アーノンクール

今年3月5日にアーノンクールが亡くなった。昨年の12月5日、86歳の誕生日の前日に突然の引退を表明し話題をさらったが、それから間もなくして86歳の生涯を閉じた。彼は古楽器演奏に力をそそぎ60年以上にわたって音楽界を牽引してきた。今年2月発売のベートーヴェンの交響曲第4番と第5番「運命」が評判を呼び音楽誌に取り上げられていたので興味があったが買うのを躊躇していた。しかしラストレコーディグのCDとなれば買わないわけにいかない(遺作は昨年7月のグラーツの音楽祭のライブ録音、ベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」で6月22日に緊急発売となった)。この際思い切って買うことにした。このCDは2015年5月のウイーンで行われた定期演奏会のライブ録音で、販売店に行くと輸入版と国内版の2種類があって迷ったが、輸入版は国内版より1000円近く安い。この差は大きいので輸入版を買うことにした。(後で息子に聞いたら国内版のほうがノイズの処理が1工程少ないので音はその分いいとのこと)。早速家へ帰って聴いてみると第4番は歯切れの良い存在感のある演奏でなかなか良い。マイベストのカルロス・クライバー、ムラビンスキー、チェビリダッケの仲間入りをしそうです。第5番の「運命」は今までのどの演奏とも違って独特の響きがあり、特に第4楽章に入るとトロンボーンやピッコロの音の強調、最後の和音連打の驚くほどのタメなど、聴くものをドキッとさせます。今回の演奏に際しアーノンクールは多くの資料を丹念に洗い直し、「ベートーヴェンの楽譜には何も足さない」という姿勢を貫いたそうです。アーノンクールはこれを手始めに今年の3月に第8番・第7番、5月に第9番を録音し、年内に2回目のベートーヴェン交響曲全集を出す予定だったがそれも叶わぬ夢となりました。今回の演奏を聴いて他のアーノンクールの演奏も聴いてみたくなりました。2014年7月発売のモーツアルト後期三大交響曲が独特な解釈で当時大きな話題となりましたので、これにしようかなと思いましたが今回はブラームスの交響曲セットにしました。これは1997年9月発売で、オケはベルリン・フィルハーモニーです。このCDはまだ聴いてませんので、どんな演奏をしているか今後の楽しみです。    人生黄昏

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ベートーヴェン交響曲第4番・第5番
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ブラームス交響曲第1番~第4番

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