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先日行きつけのレコードショップでジャズの再販CDを物色していたら、クラッシックコーナーにあったチャイコフスキーの「悲愴」が目に入った。指揮者は今話題のギリシャ生れのテオドール・クルレンツィスで、少し前のオーディオ雑誌に取り上げられていたのを思い出した。CDに2017年のレコードアカデミー賞大賞受賞のステッカーが張ってあつた。迷わず購入し家に帰って早速聞いてみた。
冒頭のファゴットが消え入るようにかすかに聞える。極端なピアニシモの演奏で思わずボリュームを上げたくなる。しかしこの曲は美しい第二主題の後に突然ドカンと来るので、うっかりボリュームをあげられない。天国的な美しいメロデーに酔いしれていると突然ドカン来て飛び上がることになる。その個所を過ぎるまでなんとなく落ち着かない。クルレンツィスの「悲愴」は特に強弱が激しいので要注意である。しかしながらこのCDの第一楽章は非常に美しく私の持っている「悲愴」の中ではとても満足のいくものであった。
私が所有している「悲愴」の数は調べてみると意外と少なくCD6枚、LP4枚の計10枚しかなかった。演奏時間を調べてみると、どれも43分~48分でクルレンツイスは46分31秒と平均的だった。チェリビダッケは57分39秒と長くこの指揮者の面目躍如といったところか。
クルレンツイスの「悲愴」の紹介記事に、“この指揮者は天才か、悪魔か、ギリシャの鬼才が放つロマン派の交響曲”と載っていた。
これからベートーヴェン、マーラーの交響曲チクルスにも取り組むとのことで、今年の日本クラッシック界の話題をさらうことだろう。 人生黄昏