今年も同窓会を東京で行ったがそれに合わせて毎年気ままなジャズ喫茶巡りをおこなっている。
純粋なジャズ喫茶店は年々少なくなって、夕方からオープンするジャズバーがかろうじて残っているくらいである。そう言えば開店47年を迎えた吉祥寺のジャズ喫茶“メグ”が昨年2月に閉店したと雑誌に載っていた。オーナーの寺島靖国さんは、知る人ぞ知るオーデオケーブルマニアで、東京へ行くたびに通ったが、まともに開いていたのは2度くらいで、もう真っ赤なスピーカー、アバンギャルドを聞けなくなったのは残念です。
今回のジャズ喫茶巡りは最初に羽田から横浜に直行して昨年好印象だった”トミーズ・バイ・ザ・パーク”ヘ向かった。
この喫茶店は比較的新しいお店で気さくなマスターとお話できる居心地の良いお店です。
着いたのが遅くお店は18時が閉店なので早めに切り上げ1日目が終わった。
2日目は最初に神田の”ビックボーイ”にいくことにした。
開店時間が13時なので神田の古本屋や三省堂の本社でウインドショッピングを楽しんでいるうちに14時を過ぎてしまい、計画変更し一旦ホテルに戻って近くのとんかつ屋で遅い昼食を取って最初にお茶の水の”オリンパス”へ寄った。
この店もお馴染みのお店で入ると常連客が6~7人音楽に酔いしれていた。
JBLオリンパスからあふれ出るジャズは誠に心地よい。長居をしたかったが早めに切り上げ、本日メインの目的喫茶店”ビックボーイ”へ向かう。着いたのは16時半頃だった。
ドアを開けると店主がすまなさそうに、「今日は17時で終わりだけれどいい?」と言われる。来てしまったのだから30分でもいいやとコーヒーを頼んで席に座る。あっという間に30分が過ぎて誰もいなくなった。
店主がやって来て「ごめんね。明日から1週間札幌の実家へ帰るんだよ」「確か白石だよね」「よく知ってるね。札幌へ行ったらジャマイカに行くのが楽しみなんだ。最近行った?」「オーナーが亡くなってから行ってないなー」「今は、奥さんと娘さんとで頑張っているみたいだよ」「近々行ってみるよ」こんな会話をして分かれた。
夕食にはまだ早いし新しいお店を探すことにして新宿か池袋に行こうと地下鉄淡路駅にもぐると丸ノ内線で池袋に向かう線があった。
とりあえず池袋駅から歩いて10分くらいのジャズバー、”モンゴメリーランド”へ向かう。ネットで調べたら18時半開店とあったので池袋で時間を過ごして18時半きっかりに目的地に着いた。が周辺をいくら探しても見つからない。
諦めて高田馬場か新宿へ戻ろうと思ったがここまで来たのだから思い切って電話をかけてみた。
そうすると店主がすぐに迎えに来てくれた。迎えに来てくれるなんて優しいオーナーだな、印象度アップ。お店はさっき通ったビルの地下にあった。
ビルの名前を探すのに上を見て歩いていたので気がつかなかった。
お店に入ると奥にJBL4344MKⅡが鎮座しておりプリアンプがマッキンのC42、パワーアンプが同じくMC402と我が家の装置とほぼ同じ。(パワーアンプは我が家はMC500)
「何かかける。好きなプレイヤーはだれ?」「シェリーマン」「ずいぶん渋いね、シェリーマンのリーダーアルバムは無いな」「誰でもいいよ。ビル・エヴァンスでも」
LPかCDを掛けるかと思ったらiPodを取り出し選曲してワデアのDACに差し込んだ。私の顔を見て笑って、「大丈夫だよ、圧縮しないで録音しているので音は良いんだ」
やおらボリュームを83まで上げる。拙宅では65以上あげたことが無いので「いつもこんなに上げるの」と聞いたら「JBLはボリュームを上げないと性能を発揮しないよ」
なるほど自宅のスピーカーは音がこもって、こんな低音が出ないな。床を這って低音が机を振動する。心地よい音のシャワーが全身に降り注ぐ。
壁にはジャズギタリストのウエス・モンゴメリーのLPジャケットが何枚も飾ってあった。この店の名はそのモンゴメリーを拝借したとの事。
しばらくして店主がギターを取り出しウエス・モンゴメリーが編み出したオクターブ奏法を実際に弾いて解説してくれた。店主は本当にウエスが好きなんだ、ウエスに傾倒しているのがよく分かった。
その辺のところは先月発売の雑誌“ジャズと、喫茶店と、オーデオと”に詳しく紹介されてました。
店主のオーデオの生い立ち、ウエス・モンゴメリーとの出会い、喫茶店を開くまでの苦労話、他ジャズ喫茶店の話などで盛り上がり、気がついたら22時半を回っていた。その間、他に客は無し。場所が繁華街から離れているのでと言ってましたが、こんな素敵なお店、店主が素晴らしいジャズ喫茶店は全国にそんなに無いよ、末長く続いて欲しいと思いながら、来年も絶対来るよと約束してお店を後にしました。
今日は最後に素晴らしい体験をすることができ大満足な1日でした。
人生黄昏




