我が書斎兼オーディオルーム(妻は物置部屋Bと呼んでいるが)に新しい仲間が加わった。
新しいと言っても一階の居間にあったステラ・メロデーという小さなスピーカー(1998年発売スイスのアクースティック・ラボ社製品)を二階に移動しただけなのだが。
このスピーカーは15年くらい前に中古品を半額くらいで手に入れたものである。当時ペアで定価61万円だった。
早速サブシステムに繋いで音だししてみるが思うように鳴ってくれない。発売当時はオーディオ雑誌で何百万円もする大型スピーカーに混じってグランプリを取っており、ピアノやバイオリンなどクラッシック系に合うスピーカーとの評価だった。
色々設定を変えてみたが満足のいく音になってくれない。
色々悩んだ末にこれはもうアンプを変えるしかないと結論した。
現在のサブシステムのアンプはラックスのL-35で2014年頃新品で手に入れたもので定価30万円だった。
とてもコンパクトなアンプで、温かみのある音色が気に入っていたのだが、今回のスピーカーとは相性が合わなかったようだ。
早速候補のアンプを選ぶことにして、カタログ集めを始めた。
候補に上がったアンプはラックスの真空管プリアンプCL-38uC,パワアンプMQ-88uC(合計75万円)、同じラックスのAB級プリメインアンプの最上級、L-509X(78万)、アキュフェーズの純A級プリメインアンプE-650(73万),同じくE-480(55万),マランツのプリメインPM-10(60万)、マッキントッシュのプリメインMA8900(98万)、MA7200(70万)など、かなりの数のアンプが候補に上がった。
この先オーディオにまとまって投資するのはこれが最後と思うと慎重になる。
しかしながらカタログを集めて性能を比較したり、オーディオショップに通ってお目当ての
アンプの音を聞かせてもらったり、あーだ、こーだと色々迷っている時間が一番楽しい。
最終的に上記の中からから候補を2~3に絞り込んでいく。
マッキントッシュはメインの装置に使っているので候補から除外。ラックスの真空管アンプはプリ、メインが分かれていて場所をとるので除外。マランツはCDプレーヤが同じくマランツなので一番相性がよさそうなのだが、デザインが好みで無いので除外。最後に残ったのがアキュフェーズE-650とラックスL-509X。このどちらかに決めようと思いオーディオショップの馴染の店員に相談するとアキュフェーズは定価販売が基本で、若干しか安くならない、ラックスなら2割引きは可能とのこと。E-650はアナログプレーヤーを繋ぐためにはさらに10万近くのオプションボードを付けなければならないので予算の都合で泣く泣く断念。
アキュフェーズは日本で一番信頼のおけるメーカで保障期間も5年と長く、メインの装置に使っているCDプレーヤーP-700は今まで一回もトラブルが無いなど一番信頼のおけるメーカーだと思う。
後日L-509Xの値段交渉しようとショップへ行くと、そこに候補に無かったエソテリックのF-03A(98万)がかなりの値引きで売られていた。エソテリックは高級CDプレーヤでは世界的なメーカーですが、近年高級アンプにも力を入れてきた。F-03Aは同社では安い方のアンプになるがそれでも100万近くするので候補には入れていなかったが、なかなか評判の良いアンプだ。
今回展示品なのと1ヶ所目立たないが傷があるので処分価格にしたとのこと。
F-03Aがこんなに安く手に入るならそれも有りかなと、早速カタログをもらって検討に入る。
このアンプは2016年4月発売のエソテリックブランド誕生30周年記念の製品で
パワーは純A級なので30w(8Ω)と小さいが我が家のサブスピーカーには十分。
PHONO入力はMMとMCの両方あり、またスピーカー出力端子も2系統あり不満無し。
消費電力は250Wと多めだが純A級なのでやむを得ないか。
ショップ店員のこれ1台きりだからに他に売れたらもう無いよの言葉に焦らされて発注した。
しかしながら今まで検討に費やした数ヶ月の時間はなんだったのか。
検討に検討を重ねて絞り込んだのを価格だけでひっくり返すのは、我ながらどうかと思うが
金の無い貧乏人の人生はこんなものか。
ただ決まるまでの迷った時間は至福のひと時だった。趣味で悩むのは健康に良いのではないか。
後日我が部屋に運びこまれたF-03Aは32Kgと重く一度置き場所を決めたらもう1人では動かせない。
早速音だしをしてみる。低音が豊になり中高音も申し分ない。流石にエソテリック30周年記念モデルの価値はあるなとご満悦。
今はスピーカーの位置を調整しながら、もっと良い音が出るよう奮闘中の毎日です。最近はメインの装置よりサブで聴くほうが圧倒的に多くなりました。評判どおりピアノやバイオリンが美しく鳴ってくれます。好きな音楽を聴くと1日の悩みや疲れが飛んで無くなります。
改めて音楽は人生を豊にしてくれると思いました。 人生黄昏